満月
原田 康子
【あらすじ】
満月の夜、札幌に住む高校の教師まりは愛犬を連れて散歩に出る。
豊平川の河川敷で男がしゃがみこんでおり、不審に思って家へ帰ろうと急ぐが、男は愛犬に導かれるようについてきてしまう。
祖母が話を聞くと、男は津軽藩の武士杉坂小弥太重則と名乗る。
時代劇の侍のような格好で、大小も腰に提げており、本人も呆然としている様子。
三百年前の札幌や弘前と照らし合わせながらも、現代の生活に折り合いをつけて暮らしていく小弥太と、見守るまりと祖母。
一年後の満月の夜に元の時代に戻るまでの日々を描いた長編ファンタジー