砂上
桜木 紫乃
【あらすじ】
北海道の江別に暮らす令央は、ビストロ勤務で得る月収と、元夫から毎月振り込まれる慰謝料で細々と暮らしている。
子どもの頃から作文を書くのが好きで、いつかは作家になりたいと漠然と思いながら新人賞などに小説を応募していた。
気づけば40代になり、一緒に暮らしていた母も亡くなった。
そんな令央の前に冷徹な女性編集者が現れ、何を描きたいのか、何をしたいのかと令央を問い詰めていく。
令央は自分の家族の秘密を書く決心を固めるが、それは自分のこれまでを直視する辛い日々の始まりだった。
現実と虚構が交錯する傑作長編